タイトル:自然人 2017 春 No.52 電子ブック【サンプル版】

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概要

自然人 2017 春 No.52 を抜粋した電子ブックのサンプルです。

スーパーや直売所でブロッコリーを見つけると、こんもりとした緑の形状が、映画「天空の城ラピュタ」の大木を見るようで心和みます。以前はブロッコリーではなく真っ白いカリフラワーが売り場に並んでいたように思い、調べてみるとカリフラワーが日本に入ってきたのは明治時代。当時の野菜は煮物や漬物に使われるものが一般的で、サラダや付け合わせという食べ方に馴染みがなくあまり普及しませんでした。戦後になって洋風メニューとともに定着し、当時は白物家電といわれる炊飯器、洗濯機、冷蔵庫になぞらえてホワイトアスパラガス、セロリとともに洋菜の三白と称されていたそうです。いつからカリフラワーとブロッコリーが入れ替わったのか?そもそも両者の関係は?次々と疑問がわいてきます。どちらもアブラナ科のキャベツの仲間ですが、ブロッコリーの方が起源は古く、すでに古代ローマ時代には食されていました。カリフラワーはブロッコリーが突然変異によって白化したものがはじまりと言われ、品種的には兄弟関係になります。同じ白物野菜でもホワイトアスパラガスのように遮光して育てた軟白栽培とは異なり、初めから葉緑素がありません。それでも栽培時にはより真っ白くなるよう外葉を縛って栽培しているそうです。歴史が古いブロッコリーではなく、なぜカリフラワーの方が先に日本に入ってきたのか?ブロッコリーの小さなつぶつぶは一つずつが蕾で、収穫せずに栽培を続けると菜の花のように黄色い花が咲きます。そのため常温では時間が経つと黄色く変色しやすく、カリフラワーに比べて、当時の流通環境下では市場に出しにくい品種だったようです。1990年代頃から健康への関心が高まり緑黄色野菜がブームとなってブロッコリーも注目されるようになりました。すでに家庭には冷蔵庫があり、流通も含めての鮮度保持技術が発達したため、ブロッコリーとカリフラワーの入荷量が逆転したものと思われます。椿下佳子レッツエコライフエコLet'sEcoLife(料理案)育食◎エコ料理研究家青海万里子◎金沢エコライフくらぶ代表風土フードの「ブロッコリー」を味わおう52それぞれの産地と風土によって育まれた食文化(フード)毎回テーマにちなんだ料理を紹介します。カリフラワーとブロッコリーニーズと流通の変化なんぱく52